東日本大震災で大きな被害を出した福島第1原発と同第2原発に挟まれる立地の富岡漁港で9月30日、震災後初めてとなる釣り大会が実施された。地元だけではなく関東地区も含め釣り人20人が集結した。同漁港から漁船も含めて、出漁するのは震災以降6年半ぶりになる。

 富岡漁協に所属する「長栄丸」「正栄丸」の2隻に参加者が分乗して、第1原発から約10キロの海域でルアー・フィッシングの「ジギング」でヒラメを狙った。「富岡復港釣り大会」と銘打って行われた。

 釣り開始から約30分でほとんどの参加者がヒラメを釣り上げた。長栄丸の石井宏和船長(40)は70センチ以上のヒラメが次々にヒットして、釣り上がっていく様子を見て「震災前のヒラメは平均50センチだった。このヒラメをもっと多くの釣り人に知らせたい」と話した。釣り大会では神奈川県から参加した男性の釣った90センチ(6・4キロ)のヒラメが最大魚だった。大会で釣れた魚は、表彰式で検体され、残留値は計測されなかった。