小池百合子代表の民進党リベラル派「排除」発言には、びっくりしました。

 疑惑に答えず、情報公開もしない政治家に対する国民のいら立ちが高まっている中で、派手に立ち上げた新党で注目を集めたのに「考えの違う人を排除する」と。期待した人は落胆したのでは。どういうことを言えば人気を得られるかを人一倍よく考えている方なのに、排除という言葉で人心がつかめると思ったのか、人気に油断してうっかり言ってしまったのか。どちらにしても驚きました。これでは国民の声は聞いてもらえないと感じた人は多かったと思います。

 小池さんは、民進党から来た人が安保法制反対の意見を変えて、頭を下げて希望の党に入る様子を、あからさまに国民に見えるようにした。その結果、人気が急落しましたが、皮肉なことにそのことによって、希望の党とその候補者がどのようなものであるか、はっきりと情報公開されたわけです。都政では「築地&豊洲共存」の基本方針を決めた経緯を文書で残しませんでした。都民ファーストとして情報公開をうたったのに、裏切られたと感じた人は多いはず。記録を残さなかった理由をはぐらかしたAI発言も強烈でしたね。

 投票日前に、なんとフランスに行ってしまった小池さん。選挙後は、多分しばらくおとなしくしているんじゃないでしょうか。どのタイミングで、どんな形で人前に出ると、人々が期待する政治家像を見せられるかをよく考えている人。今後また「今、そんな政治家が見たかった」というスタイルで、人前に現れると思います。劇場型政治にはもううんざりです。有権者は政治家が言ってることとやっていることが一致してるかと問い続けないといけません。過去の言動を忘れちゃダメです。イメージばかりで押す姿勢を変えないと小池さんは、あるいは女性の政治リーダーの信用を落とすことになりかねない。言行が一致し、過去の発言の説明を求められたら逃げずに答える。それが政治家の基本だと思います。

 ◆小島慶子(こじま・けいこ)1972年(昭47)7月27日、オーストラリア生まれ。学習院大卒業後、95年にTBS入社。「ジャスト」、ラジオは「小島慶子 キラ☆キラ」などを担当。10年6月に同局を退社し、タレント、エッセイストとして活躍。2児の母。血液型B。