「都議会のドン」と呼ばれ、東京都の小池百合子知事と激しく対立した内田茂・前都議(78)が9日、自民党東京都連が都内で開いた定期大会の席上、「最高顧問」に就任することが発表された。内田氏は今夏の都議選に出馬せず政界を引退したが、鴨下一郎都連会長は、「東京全体の調和を取る意味では、みんな仲間。話を聞くことは不自然ではない」と、説明した。

 都議選惨敗で引責辞任した下村博文氏、昨年の都知事選敗北で辞任した石原伸晃氏という2人の都連会長経験者も、同様に最高顧問に就任。衆院選敗北で、小池氏の都政運営が厳しくなっているのを見越したかのように、「反小池勢力」の肩書が復活した形だ。

 都議選や衆院選、都議会審議を通じ、小池氏と都連の亀裂は残ったまま。鴨下会長は「多事多難の1年だった」と振り返り、今後の小池氏との距離感について「東京のためにできることは協力するし、我々の考えも言っていく。都民を中心に、ものを考えたい」と述べるにとどめた。