東京都の小池百合子知事は15日の会見で、築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)移転に関し、来週にも正式な開場日が決まるとの見通しを初めて示した。市場業界から「年内に移転日の合意をはかることで意見がまとまったと報告を受けた」と明かし、都と業界が日程を話し合う「新市場建設協議会」を近く開催する方針。開場は当初調整された来年10月11日とみられる。小池氏は懸案の市場移転について「いよいよ本格的に決まる」と強調した。

 開場日の協議をめぐっては、小池氏が示した築地市場跡地の再開発計画や、豊洲の土壌汚染追加対策工事が遅れていることに、江東区が反発。日程を決めるはずだった先月の協議会は、中止された。小池氏は「『来年10月中旬』までは決まっている。(来週の)協議会で正式な移転の日取りが決まる」と明言した。

 一方、移転スケジュールへの影響が懸念されていた追加工事での入札不調は、この日までに9件中8件の契約が成立。残り1件は競争入札が成立せず、より割高とされる随意契約への切り替えを、小池氏は認めた。「前に進めてきたことの段取りが整った」と述べたが、入札不調の背景には、小池氏肝いりの入札制度改革の影響も指摘されており、あらためて批判が出そうだ。【中山知子】