タクシー会社社長がタクシー運転手に暴行し、逮捕された。乗車を拒否された個人タクシーの男性運転手に腹を立て、男性の脱げた靴を顔に投げつけるなどしたとして、警視庁愛宕署は21日、傷害の疑いで「東京エムケイ」社長で韓国籍のユ・チャンワン容疑者(54=東京都港区)を現行犯逮捕した。署によると、ユ容疑者は当時酒に酔っており「覚えていない」と供述しているという。

 逮捕容疑は21日午前0時ごろ、JR新橋駅近くの路上で乗車を拒否した個人タクシー運転手の50代男性の胸をつかみ、男性の脱げた靴を顔に投げつけ、顔面打撲などの軽傷を負わせた疑い。男性が取り押さえ、パトロール中だった署員に引き渡した。

 ユ容疑者は05年3月にも酒に酔って駅員を殴り、傷害容疑で神奈川県警に逮捕された(処分保留)。この時は、エムケイグループ創業者で、タクシー業界の風雲児と呼ばれた父青木定雄さん(本名ユ・ボンシク=今年6月8日死去)が、親として「責任を感じている」として「おわび無料車両」を運転した。しかし、ユ容疑者は08年4月にも男性社員を蹴り、傷害容疑で書類送検されるなど、トラブルが続いていた。

 東京エムケイは事件を受け、「多大なご迷惑をお掛けしましたことをおわび申し上げます」と謝罪のコメントを出した。ユ容疑者は辞任の意向を示しているといい、ロサンゼルスMKのソニー・パーク代表が経営を担当するという。