安倍晋三首相は5日の衆院予算委員会で、森友学園問題との関係を連日、野党に追及されている昭恵夫人について、今後、活動を「自粛」させる意向を明かした。無所属の会の江田憲司氏に、「夫人は今もあちこち行っている。今後は厳に慎むということでいいのか」と指摘され、「まさに江田議員が言ったように、厳に慎んでいかなければならないと思う」と述べた。

 首相は、学園が建設を予定した小学校の名誉校長に一時、夫人が就任したことや幼稚園での講演を事実と認め、名誉校長の就任が「疑念(を持たれる)のもと」だったと説明。江田氏は「(籠池泰典前理事長に)はめられた面もあるかもしれないが、夫人は行動的に(学園に)行っている。(疑念の)外形をつくったのは昭恵さんで、第三者が『夫人案件』と思うのは当たり前だ」と批判。夫人の国会での説明を要求した。

 一方、首相はこの日、昨年以来、“自粛”していた感情的な発言を復活。「やじでうるさい。答えにくい」と、委員長に3度も注意を促すよう求め、いらだちもみせた。国有地売却の交渉に関し、籠池前理事長が夫人と電話で話したと主張する音声データなどに関しては「真っ赤なうそ、うそ八百だ」と、前日鑑賞した映画の題名を引用し、声を荒らげる場面もあった。