将棋の最年少プロ、藤井聡太五段(15)が17日、東京都内で行われた第11回朝日杯将棋オープン戦決勝で広瀬章人八段(31)に勝ち、15歳6カ月でプロ入り後初の優勝を手にした。

 加藤一二三・九段(78)が持つ一般棋戦の最年少優勝記録(15歳10カ月)を更新するとともに、規定により、五段昇段からわずか16日で六段に昇段した。天才中学生の快挙に関係者が日本将棋連盟を通じてコメントを発表した。

 ◆日本将棋連盟佐藤康光会長 このたび初優勝、誠におめでとうございます。全棋士参加棋戦、しかも最年少記録更新ということで、29連勝に続いてまた素晴らしい記録を打ち立てました。これからもしっかりと地に足をつけて歩んでもらいたいと思います。

 ◆谷川浩司九段 全棋士参加の棋戦で優勝するのはまだ難しいと考えていました。私たちの予想をはるかに上回るスピードで、強くなっているようです。名人と竜王を破っての優勝は見事ですが、ただし、20代・30代の棋士に対しては「君たち、悔しくないのか」と言いたい気持ちもあります。

 ◆師匠の杉本昌隆七段 準決勝の羽生竜王戦を初め、大きな注目を集めた中での優勝、そして六段昇段は見事です。おごることなく臆することなく全力で相手に立ち向かう、藤井将棋の良さが出ていました。弟子が頂点に立つ瞬間を間近で見ることができ、師匠としてもこれ以上ない喜びです。どれだけ結果を残しても、15歳の藤井六段はまだまだ学ぶべき立場。それは全く変わりがありません。今後もより一層の精進を望みます。