カーリング女子日本代表「LS北見」の地元、北海道北見市の銘菓「赤いサイロ」が脚光を浴びている。創業83年目の老舗菓子店、清月のチーズケーキで、17日OAR戦の軽食をほお張る「もぐもぐタイム」に、LS北見の選手が食べている映像がNHKの公式ツイッターで拡散し、一躍注目の的に。注文が通常の10倍という盛況ぶりに、清月の渡辺主人(もんど)社長(47)は増産体制を指示。思わぬ五輪特需が広がっている。

 「今朝から注文の電話が鳴りっぱなしで、大忙し。今までで一番大変かも知れません」。1935年創業の老舗菓子店、清月の3代目、渡辺社長が驚く反響ぶりだ。LS北見がほお張った「赤いサイロ」の注文は、20日午前の段階では通常の2倍程度だったが、テレビ各局に取り上げられたこともあり、夕方には10倍近くの注文が殺到した。

 LS北見の快進撃とともに注目を集めるハーフタイム時の「もぐもぐタイム」。17日のOAR戦で、おやつの1つになったのが清月のチーズケーキ「赤いサイロ」だ。提供を開始して22年。テレビ番組のお菓子グランプリで優勝したこともある看板商品。今回の反響は「NO・1になったときに匹敵する」(渡辺社長)という売れ行きだ。

 同社は数年前からLS北見が国際大会に出発する際、協賛品として商品提供を始めた。ただ今回の五輪で食べられることは想定外だったという。渡辺社長が17日に快進撃を伝えるニュースをフェイスブックに投稿したところ、LS北見の大森達也トレーナーから「今日のハーフタイムのエネルギー補給は赤いサイロでした!」と報告を受け商品の“五輪デビュー”を知った。

 本店内には北海道知事賞など多数の表彰状と並び、スキップ藤沢五月(26)の色紙が飾られている。昨年12月には藤沢の訪問を受け「いつもおいしくいただいています」とあいさつを受けた。現地の大森トレーナーから「今回はもう手持ちがない」と連絡がきたほどで、快進撃を支えてきた一品といえる。まずは4強進出に期待を寄せる渡辺社長は「帰ってきたら、5人分の特大赤いサイロで祝福したい」と、チームの故郷北見市で活躍を祈っている。【浅水友輝】

 ◆清月(せいげつ) 北海道北見市に本店を置く老舗菓子店。創業は1935年(昭10)で、本店を含め同市内に2店舗を構える。96年発売「赤いサイロ」、08年発売「バウムラスク」などが人気。北見市名物「ハッカ」を用いた「薄荷ようかん」は創業当時からの看板商品。従業員数32人(14年時点)。