韓国メディアは21日までに、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)開会式に合わせて韓国を訪問した北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏が、第2子を妊娠していると報じた。現在妊娠7カ月前後との報道もある。報道が事実なら、身重の体で、兄の「特使」として極寒の平昌に派遣されたことになり、南北対話実現に向けた金委員長の切実さの表れではないかと分析する向きもある。

 与正氏の妊娠説は「聯合ニュース」などが、韓国政府関係者の話として報じた。韓国政府は公には妊娠を確認していないとしているが、与正氏が、自ら妊娠中だと明かしたとの情報もある。開会式翌日の10日、韓国の文在寅大統領との会談で大統領府を訪れた際、文大統領が「寒くなかったですか」と話し掛け、与正氏が「大統領のお気遣いで大丈夫でした」と応じたのも、妊娠説を裏付けるやりとりの根拠として注目されている。現地では当時から、細身の与正氏のおなかがふっくらしている様子が、スーツの上から確認できるとの報道が出ていた。

 金ファミリーは、生年月日ですらベールに包まれ、与正氏の年齢も「30歳前後」ということ以外、分かっていない。ただ、外交筋の情報で15年に入って与正氏の結婚と第1子妊娠説が浮上。同年4月から5月の間に第1子を出産し、その後、公務に復帰したとされる。夫は、金日成総合大時代の同級生といわれている。