つきまとい行為への規制強化の一環として「みだりにうろつくこと」などを加えた東京都迷惑防止条例改正案が22日、都議会警察・消防委員会を賛成多数で通過した。委員会でただ1人反対した共産党の大山とも子・都議団幹事長(62)は「デモなどの市民活動、労働組合活動、報道も規制対象になる恐れがあり、憲法で保障された行動が萎縮されかねない」と訴えた。

 委員会では、都民ファ、自民、公明が賛成。対応が注目された会派「民進党・立憲民主党」の中村洋都議(46)も賛成した。終了後、委員会室を出た委員ら関係者には、傍聴者らから「小池百合子(都知事)の奴隷!」などの怒号が飛び、自民党都議が「失礼なこと言うな、傍聴人が」と声を荒らげる一幕もあった。

 賛成した民進党の中村氏は「警視庁に質問し、『正当な理由により行われる政治活動、労働運動、市民運動、取材活動等は規制対象にしない』と確認した。ストーカー規制法の範囲外の人身安全関連事案でも命を守る趣旨で賛成した」と説明した。一方、立憲民主党参院議員で改正案に反対を表明している川田龍平氏(42)は「立憲主義を掲げながら賛成はできない。委員会には立憲民主の都議がいなかったが、29日の採決では(同党都議は)反対することになる」と話した。【清水優】