立憲民主、希望、共産の野党3党の衆院議員は23日、学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典被告(65=詐欺罪などで起訴)と大阪拘置所(大阪市都島区)で接見した。議員によると、国有地売却に関する決裁文書から削除された安倍昭恵首相夫人の「いい土地ですから、前に進めてください」との発言について、籠池被告は「確かにそういうふうにおっしゃっていた。間違いない」と語気を強めたという。議員の1人は「隠し玉? あります」と明言。新たな「籠池爆弾」を示唆した。

 希望の今井雅人、共産の宮本岳志、立憲民主の川内博史各氏との約45分間の接見。昨年7月に逮捕後、長期にわたる勾留生活で籠池氏の手にはしもやけができていた。体調面の不安を口にしたが、籠池節は健在だったようだ。関西弁で淡々と話す籠池氏が語気を強めた場面があった。

 今井氏によると、国有地売却に関する決裁文書から削除された昭恵夫人の「いい土地ですから、前に進めてください」との発言について、籠池被告は「確かにそういうふうにおっしゃっていた。間違いない」。さらに「昭恵氏は小学校の棟上げ式に必ず行くと言っていた」と話し、国有地に関する交渉に関し「昭恵氏に逐一、報告していた」とも発言した。昭恵氏は学園が大阪府豊中市の国有地で計画した小学校の名誉校長に一時就任していた。

 同被告が弁護士以外と接見するのは、逮捕以来初めて。決裁文書改ざんについては「びっくりした」と話したという。当初、15分間だった接見は、拘置所側の配慮で約45分間行った。今井氏は「籠池氏の話から昭恵氏が(国有地の)取引について深く知っていると感じた」と述べた。宮本氏は「昭恵氏の国会招致は絶対必要だ」と強調した。

 接見した川内氏から報告を受けた立憲の福山哲郎幹事長は手に入れた「籠池爆弾」を明かした。籠池被告は「いい土地」発言の際、「昭恵氏が『何かできることはありますか』と言ったので、『敷地の前で写真を撮ってください』と申し上げた」と説明。「この日は夜に食事もご一緒した」と明らかにしたという。

 今井氏は「隠し玉は?」の質問に「あります」とキッパリ。いまだに知られていない「籠池爆弾」も示唆した。野党は籠池被告の説明内容を整理し、27日に衆参両院で行われる佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問に臨む。国会で「爆弾」が再びさく裂するのか。【松浦隆司】