森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題で、佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問が27日午前、参院で行われた。

 共産党の小池晃氏が4番目の質問に立った。

 

 昨年2~4月の文書の書き換えについて認識していたかについて答弁拒否を続ける佐川氏。小池氏は改ざん前の決裁文書と答弁が正反対な理由について質問、佐川氏は「私が書き換えを認識していたかは、私は告発をされている身で、刑事訴追の可能性があるのでコメントを控えたい」と交わし続けた。小池氏は「これでは証人喚問の意味がありません」と言い放ち質疑がストップした。

 小池氏は、昨年2月から3月まで佐川氏が「何を根拠に答弁したか」と追求。佐川氏は「答弁書を読んで答弁した」と自身の責任を部下に押しつけるような発言も聞かれた。官邸との答弁書を調整したことも否定した。

 決裁文書に昭恵さんの名前があったことには「どの時点で書き換え前と書き換え後の文書を見たのかは刑事訴追のおそれがあるので控える」と繰り替えした。時折、質疑の堂々巡りに佐川氏が口に手を当て苦笑する場面も見られた。

 質疑は2度ストップし、小池氏は「この証人喚問では意味がない」と怒りをあらわにした。

 

 この日の証人喚問でのポイントは、だれがいつ、何の目的で公文書が改ざんされたのかの解明が焦点となる。国有地売却を巡って、政治家、安倍晋三首相、首相の妻である昭恵夫人の関与があったのかが注目される。

 佐川氏が公の場で話すのは、国税庁長官を辞任した先月9日以来。

 この日は午前に参院で8会派が質問に立ち、午後からは衆院で7会派の議員が質問に立ち、それぞれ持ち時間は2時間。