第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の選考顧問会が9日、都内で行われ、ノンフィクションライター森功氏の『悪だくみ 「加計(かけ)学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文芸春秋刊)が、大賞に選ばれた。

 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題における“舞台裏”を描いた、ノンフィクション。

 森氏は受賞を受けて、文芸春秋を通じ、「思いがけない受賞でした。まだ完結していない事象を扱っていますので、このように評価されたのはうれしい驚きでした。現在を抉(えぐ)ったジャーナリスティックな作品として意義を認めていただけたのは、こうした仕事を続けて来た者として大きな励みになります」と、コメントを発表した。

 森氏は61年、福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て、03年からフリーのノンフィクション作家として活動。主な作品に「黒い看護婦 福岡四人組保険金連続殺人」「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」などがある。