学校法人「加計学園」(岡山市)獣医学部新設に関して「首相案件」と発言したとされる、柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)が10日午後、午前の衆院予算委員会に続き、参院予算委員会に参考人招致された。

 立憲民主党の蓮舫氏は、厳しい口調で柳瀬氏を徹底的に追及した。冒頭で“先制パンチ”とばかりに「あなたの記憶は、自在になくしたり思い出したりするものか?」と迫ると、柳瀬氏は「当然、3年前の記憶だし、あいまいなもの。(人の話を聞き)そうだったんだ? と思うこともある。記憶を調整していると新聞に出ているが、全くないこと」と否定した。

 蓮舫氏は、柳瀬氏が17年7月の国会答弁以降、自身の主張は一貫していると主張すると「一貫して加計学園の関係者と会っていると言っていない」と厳しく批判。柳瀬氏が「今治市の方と会ったか? というから答えた」と返答すると「聞かれてないから答えないのは不誠実」と切り捨てた。

 蓮舫氏は、柳瀬氏が2015年4月2日に首相官邸で愛媛県今治市、加計学園関係者と会った際、当時加計学園系列の千葉科学大副学長で、現在は4月に今治市で開学した岡山理科大獣医学部長の吉川泰弘氏が出席していたか? と質問した。柳瀬氏は、午前の衆院予算委員会の際も、その件について聞かれた際、同氏を「東大の人」と評していたが「当時の記憶が定かではない。元東大の方だとはよく覚えている。(同年)2~3月にいらっしゃたっところがクリアでないが、4月とどちらかには元東大の方はいらした」などと説明。「私は、お名前を記憶してございませんが半年前の朝、テレビのニュースで加計のニュースが流れた時(学部長の)候補に入っていた。見たことがあると思った」などと答えた。