東京都の小池百合子知事は25日の定例会見で、アメリカンフットボール部の選手による悪質タックル問題をめぐる日大の対応について、「え、これが日大なの? などと思われている」と苦言を呈した。各地で多発するセクハラ問題と合わせ、「ハラスメント(嫌がらせ)に対する判断基準が上がっていることに気付かない方が、ハードルにつまずいてこけている」と、厳しい見方を示した。

 「日大は私大の雄。東京にとっても、活躍していただいている大きな大学だが、そういう中での今回の対応。経営上でも、厳しいというか、難しくなるのではないかと心配もしている」と、大学経営の今後にも言及した。

 東京都狛江市の高橋都彦市長の女性職員に対するセクハラ問題、財務省前事務次官のセクハラ問題と、今回の問題を並べ、「昨今は、ハラスメント(嫌がらせ)の判断基準の度合いが、昭和の時代から考えると、ぐんと上がってきている。それに気付かない方が、(高い判断基準の)ハードルにつまずいて、こけているということ」と指摘。「良い、悪いの議論はあるが、社会はいつも変革するもの。社会においてはどういうハードルで、(行動する上で)どこがよくて、どこが悪いのか、客観的に見極めることが必要。特に、教育に身を置く方は、(他人から)厳しく見られているという自覚が必要だ」と述べた。

 小池氏は悪質タックルを受けた関学大に、一時在籍。先週の定例会見でも「元関学生として憤っている」と、述べていた。