学校法人「森友学園」をめぐる補助金詐取事件で詐欺と詐欺未遂の罪に問われ、昨年7月31日の逮捕から、約10カ月勾留されていた学園前理事長、籠池泰典被告(65)と妻諄子被告(61)が25日、大阪市の大阪拘置所から保釈された。夫妻で計1500万円の保釈金を支払った。

 10カ月ぶりに公の場に現れた籠池被告は、妻とともに大坂市内で会見し、第一声から安倍政権を批判。「国策勾留。まったくの冤罪(えんざい)だ」と訴え、拘置所に入っていた期間が約10カ月に及んだことに、強い不満を示した。

 「10カ月で体力も弱り、足腰も立たなくなった」。顔色は悪くなく、口調も逮捕前とほとんど替わらなかったが、長期勾留による体力面への影響を訴えた。

 一方で「一連の事件や騒動によって多大な迷惑を掛けた。心よりおわびを申し上げる」と陳謝した。

 籠池被告は25日午後5時20分ごろ、諄子被告より少し早く、大阪拘置所を出た。スーツ姿で左手にノートのようなものを持っており、うっすらと笑みを浮かべた。外で待っていた弁護士に軽く会釈すると、弁護士に促されるようにシルバーのワゴン車に乗り込んだ。

一瞬、安堵(あんど)の表情を見せたが、報道陣の呼び掛けには答えなかった。 続いて、黒い服に白っぽいスカートの諄子被告がバッグを抱えて姿を現した。拘置所を振り返って、深々と一礼した。髪は肩までかなり伸び、やや痩せたようにも見えた。やや足を引きずる様子もみられた。