学校法人「加計学園」（岡山市）獣医学部新設をめぐる一連の問題について、加計学園の加計孝太郎理事長（６６）が１９日、岡山市内で会見を開いた。１７年５月に問題が報じられ、発覚して以降、加計理事長が会見に応じるのは初めて。

　緊急会見では、愛媛県が５月に国会に提出した文書に、加計理事長と安倍総理が「２０１５年２月２５日に面談した」とする記載があったこと、その件に関し、当時の担当者である渡辺良人事務局長が実際になかった面会を引き合いに愛媛県と今治市に誤った情報を与えたなどと謝罪した件に質問が集中した。

　加計理事長は「２月２５日に会っていないと言うが、会っていた前提で書類が出てきた。会っていない根拠は？」と聞かれると「はい。根拠は、とにかく記憶にないし記録にない」、「担当者が、そのような誤解を生むことを言ったのは、ことを前に進めるため」と繰り返し、主張した。渡辺事務局長から報告を受けたのはいつか？　と聞かれると「報告を受けたのは大分前…記憶にない」と答えた。

　さらに「虚偽の発言で作られた獣医学部をどう思う？」と聞かれると、「前に進めるためにやったと聞いた。虚偽と言われれば虚偽の発言かもしれないが、前に進めるためにやった」と、渡辺事務局長が獣医学部を作るため、その一心で愛媛県と今治市に虚偽の報告をしたことを容認するかのような発言を口にした。「前に進めるためなら虚偽でもいいのか？」と指摘され、すぐに撤回した。