学校法人「加計学園」（岡山市）獣医学部新設をめぐる一連の問題について、加計学園の加計孝太郎理事長（６６）が１９日、岡山市内で会見を開いた。１７年５月に問題が報じられ、発覚して以降、加計理事長が会見に応じるのは初めて。

　加計理事長は、国会への招致の可能性について問われると「私が決めることではないので、お待ちしております」と答えた。愛媛県に今後、謝罪に行く可能性はあるか？　と聞かれると「謝罪に行くことが許されたら参りたい」と、中村時広知事との面会、謝罪の可能性については否定しなかった。

　会見の中で、加計理事長は、自身と安倍総理が「２０１５年２月２５日に面談した」と記載された愛媛県の文書に関して、面会を引き合いに愛媛県と今治市に誤った情報を与えたなどと謝罪し、不適切な言動をした当時の担当者・渡辺良人事務局長を減給１０％（６カ月）の処分とし、自らも給与の１０％を１年間、自主返納することを発表した。

　取材陣から「理事長を忖度（そんたく）して勝手に事務局長がやった反省は？」と追及する質問が飛ぶと、加計理事長は、やや不満そうに「申し訳ございません。これから、気を付けます」と答えた。その答えに対し「なぜ、起こったかが問題では？」との質問が飛んだが、加計理事長は「それも合わせてやります」とだけ答え、公務を理由に２６分で会見を打ち切った。

　会見は、この日の朝、理事会の開催前に開くことを決めたといい「この会見を開かせていただいたのは、理事会の中で私も含めた処分をしていただいた。その報告をするため」と開催の理由を説明した。

　取材陣からは「もうちょっと、きちんとした形で会見を開いてもらえないか？」と要請する声も出たが、加計理事長は「検討させていただきます」とだけ答えた。