ワールドカップ(W杯)日本-コロンビア戦で決勝ヘッドを決め、歴史的勝利をもたらしたFW大迫勇也(28)を称賛する「大迫半端ないって」が、急速な広がりをみせている。高校時代のスーパープレーに驚いた相手選手から飛び出した言葉。SNSでの言葉の書き込みが急増し、一夜明けた20日のテレビ番組は言葉についての特集を続けた。

 中西さんが名言を生み出した時、監督としてロッカールームにいた栫(かこい)裕保・滝川二前監督(57)が20日、日刊スポーツの電話取材に応じ、当時を振り返った。「鹿児島城西はレベルが高く、注意すべきは大迫選手だけではなかった。試合前も特別な指示は出さなかった」と話した。ただ、大迫はこの試合で2得点。後方からのロングボールを華麗にトラップし、仲間のゴールを生み出すなど、大活躍だった。

 「それはもう、半端なかった」と栫氏。試合後は大迫に「選手権も大事だけど、君は日本を背負う選手になるはず。今後も頑張ってね」と声を掛けた。大迫から「ありがとうございます」と返されたという。

 中西さんは試合後のロッカールームで「大迫半端ないって。あいつ半端ないって、後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなん、できひんやん普通」と絶叫し、笑いを誘った。この様子を収めた動画がネットで拡散。以降、大迫が活躍するたび、この言葉が話題になっている。

 栫氏によると、あの発言は、中西さんの仲間に対する思いやりだったという。「彼は明るくて真面目な主将らしい主将。カメラも入っていたので、落ち込むみんなを明るくしようと思ったのでは」と推測した。【太田皐介(滝川二サッカー部元主将・13年卒)】