サッカーロシアW杯の日本対セネガル戦が行われた25日未明、東京・渋谷のスクランブル交差点周辺には、大勢のファンが集まり、貴重な勝ち点1獲得に沸いた。試合後は、スポーツバーなどで観戦していた若者を中心としたファンが交差点付近に集まり、「オー、ニッポン」の大合唱。輪はみるみる広がり、あっという間に数百人規模になった。

 スポーツバーで観戦していた女子大学生(18)は「九州から来て大学に入ったばかりなので、盛り上がりにびっくりした。すごく楽しい雰囲気なので、次のポーランド戦も渋谷で観戦するつもり」と笑顔だった。

 都内の20代会社員の男性は、本田の同点ゴールに大興奮。「あれだけ言って決めるところが本田。やっぱりすごい」。ポーランド戦のキーマンには、この日無得点だった大迫をあげ「今日の試合も良かったけど、次は半端ない活躍を期待したい。できれば、キーパーも交代した方がいいと思う」と話した。

 試合終了から約1時間がたっても、コールが収まることはなかった。スクランブル交差点には警視庁のDJポリスなど多くの警察官が出動し、通行を規制。ただ、交差点を通る全員がハイタッチで引き分けを祝っていたため、収拾が付かない状況になっていた。肩車をして喜びを表現するファンに、注意する場面もあった。

 都内の大学に通う高坂信乃介さん(22)は「盛り上がる気持ちは分かるが、ゴミがたくさん落ちているこの状況は悲しい。警察の人は本当にお疲れさまですという感じ」。試合については、「インターネットなどで散々たたかれていた本田が活躍したのが、本当にうれしかった」と実感を込めた。

 19日のコロンビア戦も渋谷で観戦していたという男子大学生(22)は、この日の渋谷の盛り上がりについて「今日も人は多いけど、この前の方がすごかった。次のポーランド戦でグループリーグ突破が決まったら、とんでもないことになるのではないか」と推測した。