「今のやりとりを聞いて、党首討論の歴史的使命は本当に終わった」。安倍晋三首相は27日の党首討論で、立憲民主党の枝野幸男代表が森友&加計学園問題や首相の国会答弁に関し、持ち時間15分の半分近くを費やして指摘を続けたことにぶち切れ、党首討論の存続にかかわる発言をした。

 ただ、先月30日の党首討論では首相自身がモリカケ問題に関する質問に、時間をかけて持論を展開。相手に反論させずに逃げ切るのは首相の「常とう手段」で、自業自得の側面もある。この時、首相の態度に激怒した枝野氏が討論後「歴史的な使命は終わった」と発言し、首相はこの日、枝野氏の発言を引用する形で党首討論のあり方に言及した。99年11月に始まった党首討論の運用をめぐり、波紋を広げるのは確実。首相の答弁姿勢にも、あらためて批判が強まりそうだ。

 時間の短さから、野党側も制限時間を超えた発言が目立った。日本維新の会の片山虎之助代表は「45分間では言い合いになる。制度を育てるなら本気で考えないと」と訴えた。一方、首相は衆院会派「無所属の会」岡田克也代表に、森友問題での昭恵夫人の責任を指摘された際、委員長に時間切れを3度注意されても聴かず、主張を続行。終了後、岡田氏に「ルールは守らなきゃ」と、自身の行動は棚に挙げて声をかけた。