日本将棋連盟は2日、史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(15)が6月29日に東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第31期竜王戦決勝トーナメント2回戦で増田康宏六段(20)との対戦で、反則の「待った」を疑われるような着手があったとインターネット上で指摘されたことについて、「反則ではなくマナーの問題なので、師匠(杉本昌隆七段)から本人へ注意すると聞いております」とのコメントを出した。

 対局後、連盟の常務理事らが映像で確認し、反則ではないと判断した。

 同棋戦で残り時間の少なかった終盤、藤井は持ち駒の「桂馬」を指そうとしたが、すぐに戻して「飛車」を着手した。

 将棋のルールでは1度着手して駒から手が離れた瞬間に着手完了となり、それ以降、駒を元に戻したり、指し手を変更したりすることは「待った」の反則となる。

 増田からの指摘はなく、対局はそのまま進んで、125手で藤井が敗れた。高校進学後、初黒星となった。

 2005年、第13期銀河戦の対局で加藤一二三・九段(78)が「待った」の反則をし、出場停止処分、同対局の対局料没収になった例がある。