オウム真理教の被害者や教団脱会者の支援を続け、自身も教団からサリンやVX、ボツリヌス菌で襲撃された滝本太郎弁護士(61)は6日、ブログで「松本智津夫死刑囚の死刑が執行された。立ち会えなかった、残念です。人ひとりの命が失われてしまった、悲しいです」と記した。

 また、「本人には、『生まれてくれてウエルカム』と言いたい。現役信者さんには、『麻原彰晃という人はもともと存在しなかったんだよ』と伝えたい」と続けた。「生まれてくれて~」は、中島みゆきの「誕生」の一節。滝本氏は松本死刑囚の公判で「あなたが生まれたことを恨んではいません。あなたのしたことを恨んでいます」とし、この「誕生」を聞いてほしいと求めていた。

 滝本氏はこれまで、松本死刑囚以外の12人の死刑囚は死刑執行すべきでないと訴えてきた。この日のブログでも、この日執行された6人を含む松本死刑囚以外の死刑囚12人について「死刑は執行してはならなかったし、してはならない。頭は麻原のみであり12人は手足だった。12人は自然死するまで事件と麻原を振り返り、時に応じて述べていくことで、オウム集団の根絶、類似事件の防止に役だったはずである」と訴えた。その上で、この日の松本死刑囚以外の6人の死刑執行について「有害無益であり、ここに強く抗議する」と記した。