都内の老舗名画座もさまざまな企画やアイデアを取り入れて奮闘している。74年創業の飯田橋ギンレイホールもその1つだ。洋画を中心に昔ながらの2本立てで上映している。

 同ホールで好評を博しているのは「ギンレイ・シネマクラブ」。1万円(税別)で1年間見放題というフリーパスシステムだ。久保田芳未(よしみ)支配人は「2本立ての映画を好きな時に1本ずつ見ることができる。窓口で提示するだけで切符も買う手間もありません」。料金は97年の導入時から変わっていない。訪れるお客さんの6~7割がこのクラブ会員だという。

 「『女性が来る映画館にしたい』とトイレを改造し、上映ラインアップも女性を意識しています。現在は6対4で女性のお客様が多いですね」(久保田支配人)。最近人気だったのは「ドリーム」「ダンケルク」の2本立てなど。月1回のオールナイト、毎年秋に開催する神楽坂映画祭など数々のイベントも実施している。

 1度は閉館した池袋の新文芸坐や早稲田松竹なども元気だ。新文芸坐が5月に上映した特集「追悼・西城秀樹」は女性ファンで超満員になったという。