金足農の決勝進出で、切実な問題が浮上している。応援などで甲子園に来ている生徒らの滞在が延びたため、宿泊費や飲食代が予算を大幅に超える可能性があるとして、同校野球部OBが「甲子園賛助金」と題した寄付をホームページで呼びかけていることが20日、分かった。この趣旨に賛同した人からの寄付申し出が殺到していることも、判明した。

 賛助金は1口2000円。同校によると、20日だけで学校の窓口での申し込みは480件以上あり、総数は600件以上に達した。秋田県民だけでなく全国各地から申し出があり、海外在住の秋田県出身者からも反応があったそうだ。

 OBが最初に呼びかけたのは、横浜に勝利した今月17日。公立校ならではの台所事情に理解を求め、「皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけて、秋田県の金融機関の口座を記している。

 学校側によると、口座振り込みでの寄付は件数が多すぎて記帳が追いつかず、まだ把握できていないという。松田聡教頭(54)は「準々決勝進出を決めてから寄付の申し出が急増した。選手や応援団の交通費や滞在費などが不足しており、本当にありがたいです」と感謝の意を示した。

 選手や監督の滞在費は主催の朝日新聞社や県が一部補助するが、応援の生徒らの滞在費は各自の負担や寄付金などで賄われる。目標額は5000万円という。

 賛助金は、1口2000円。振込先は、秋田銀行追分支店普通口座「1044052」、北都銀行秋田北支店普通口座「8126876」、秋田なまはげ農業協同組合追分支店普通口座「0023609」。

 名義はいずれも、「金農甲子園出場支援協議会会長 佐々木 吉秋」。問い合わせは同校、電話018(873)3311。