44都道府県の東京事務所が入る東京都千代田区の都道府県会館でも、秋田代表対大阪代表の静かながら熱い戦いが巻き起こる? 都道府県会館7階には、全国高校野球選手権で決勝に進んだ金足農の秋田県東京事務所と、大阪桐蔭の大阪府東京事務所が隣り合って入っている。秋田県関係者は「普段は同じ階のお隣さん同士で仲良くさせてもらっていただいています」としながら、目はらんらんと金足農の必勝を信じている。

 秋田県東京事務所では20日、勤務中の職員たちが「重要情報の確認のため」ラジオで甲子園の中継にかじりついた。あきた売込み課主幹の菊地拓さんは「県の重要情報。最終盤の日大三の追い上げには緊張しました」と振り返った。事務所職員には金足農OBもいるが、「休暇を取り、甲子園に行っています」。

 都道府県会館内だけに、大がかりな応援はできないが、秋田犬のぬいぐるみを大量に投入した金足農応援ディスプレーで静かに、熱く応援。今日の決勝も「重要情報の収集」が行われる予定だ。

 秋田県民にとっては第1回大会以来103年ぶりの決勝。大阪府民にとっては、史上初となる2回目の春夏連覇がかかる大一番。決勝を控えた両事務所のドアとドアはわずかに数メートルの距離。その廊下は、嵐の前の静けさか、静まりかえっていた。