全国高校野球選手権で快進撃中の公立の星、秋田県立金足(かなあし)農業が20日、県勢では第1回大会の1915年(大4)以来となる決勝進出を果たした。

 金足農の決勝進出が、切実な問題に発展した。応援などで甲子園に来ている生徒らの滞在が延び、宿泊費や飲食代が予算を大幅に超える可能性が出てきたとして、同校野球部OBが「甲子園賛助金」と題した寄付をホームページで呼びかけていることが20日、分かった。これを受けて、賛同した人からの寄付の申し出が、国内外から殺到していることも判明した。

 賛助金は1口2000円。同校によると、20日だけで学校窓口での申し込みは480件以上。総数は600件を超えた。県民だけでなく全国から寄付が相次ぎ、海外在住の秋田出身者からも反応があったそうだ。選手や監督の滞在費は主催の朝日新聞社や県が一部補助するが、応援の生徒らの滞在費は各自の負担や寄付金などで賄われる。OBが最初に呼びかけたのは、横浜に勝った今月17日。公立校ならではの台所事情に理解を求め、「皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします」と、秋田県の3つの金融機関の振込先を記した。同校によると、口座振り込みの寄付は件数が多すぎて記帳が追いつかず、まだ把握できていない。

 目標額は5000万円。松田聡教頭(54)は、「準々決勝進出を決めてから寄付の申し出が急増した。選手や応援団の交通費や滞在費などが不足しており、本当にありがたいです」と、感謝した。