自民党総裁選は20日投開票され、安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を決めた。対応が注目されていた小泉進次郎筆頭副幹事長は報道陣に、石破氏に投票したことを明かした。党内に多様な意見があることを示したかったとの思いからだという。進次郎氏はその背景について、報道陣の取材に語った。一問一答は以下の通り

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-結果を受け止めて

進次郎氏 まず、私は石破氏に1票投じたが、今回、安倍さんか石破さんかの二者択一にみえて、そんな単純なものではないという思いは、1人1人の議員、党員がどんな評価基準を持っているかはあると思うが、私がそういう思いを1票にのせるか考えた時に、日本はこれからの発展は、ひとと違うことを強みに替えられるかが大事。だからこそ、自民党も違う意見を押さえつけるのではなく、違う声を強みに替えるそんな自民党でないといけない。そんな判断から、私なりに思って投票した。

-投票先を明かさないとも言っていたが、なぜ切り替えたのか

進次郎 今回、率直に言って、いろんな情報戦があった。総裁選は、政治の世界の戦ですから。私は、武器を持たない戦争みたいなものだと思う。その課程では、さまざまなことがある。日々変わる。それに対し、そうやって自分を生きぬいていけるようにするか。そういうことも含め、学びのある総裁選でしたね。

-結論出すタイミングはどう考えた

進次郎氏 よくいわれるのが、(当選同期の)斎藤健農相(への圧力問題)のことも一因ではないかというのが、私の耳にも入っているが、それはありません。斎藤大臣は尊敬できる同期の大先輩だが、一連のことの中で、「パワハラ」という言葉がでてきたが、政治の世界、これは戦なので、パワハラではない。何でもありますよ、脅しもすかしも。いま、世界の各リーダーをみても、トランプ、プーチン、習近平、金正恩。そんな(パワハラの)次元じゃないでしょう。これから当選された安倍新総裁には、違うことを強みに替えて、さらによい自民党、新しい国造りをしたいというごあいさつがあったように、人と違うから、それが強みになるんだという社会をつくっていただきたいし、真のノーサイド、そういう形で日本を前に進めていきたい。

日本では、NO SIDE、一致結束というと、なにも言わない、意見を言わないことと勘違いされるが、真のNO SIDEは、いろんな意見があってぶつけ合って、決まったことは最後はそれでいく。これが、本来の自民党のNO SIDE。そうなっていくよう期待している。安倍総裁には、最後の総裁任期。見たことのない3選目という未体験ゾーンに入った。政治家として。腹の底からやりたいこと、思っていることを完全燃焼していただきたい。その中で、党内でたとえ、違う声があっても、それを強みにかえてほしい。

-石破氏の陣営からは、もっと早い時期で言うべきだったという声もある

進次郎氏 仮に私がもっと早く表明していたら、私の望む形にはならなかったと思う。表明しなかったからこそ、2人だけの違い、論争に注目が集まった。

-ご自身が言うと、影響力が出ると

進次郎氏 だって、私バッターボックスに立っていないですよ。なのに、テレビカメラが、ネクストバッターサークルやベンチを映してもおかしいですよ。バッターボックスに立った人が脚光を浴びるべきだし、その2人が総裁を目指して戦った。その2人の議論を多くの国民に見ていただきたかった。

-いつ決めた

進次郎氏 私の中では決まっていたが、タイミング、1票に対する思いをどう訴えたらいちばん伝わるか、安倍さんか石破さんかだけではなく、これからの日本社会、私はもっと多様な選択肢があって、異なる声を社会の強みに替える、そんな日本でないといけないと、私なりに整理した。

振り返ったら、総裁選期間中の講演でも、そういうことを言っているですけどね。(注・9月9日の青山学院大での講演で、同大のスローガン「Be the Difference(ビー・ザ・ディファレンス)」に触れ「人と違っていいんだと。強く共鳴した」と(述べている)。

-ご自身の影響力をあえて行使もあった

進次郎氏 戦だから何でもあり。臨むに当たって、どうすべきか、これこそまさに、日頃、政治部の皆さんが追っている「政局」ですよね。

-内閣改造、党人事について

進次郎氏 これを決めるのは総理です。私は、自分がこれから日本の社会、新しい国をつく中で、自分なりに何にエネルギーを傾けるか、しっかり自分の思いを固めていきたい。毎回この時期になると、党からもどんな人事を望むか調査もある。その時には、ちゃんと自分の思いを表していきたい。(2へ続く)