昭和大(東京都)は15日夕に会見し、13年度の医学部入試から現役と1浪の受験生に対し一律で加点したり、同窓生子女を優遇するなどし、合格に有利に働く操作をしていたとして謝罪した。文部科学省が医学部医学科を持つ全81大学を対象に実施した入試に関する緊急調査で、9月末までに指摘されていた。

1次試験(学力試験)を通過した受験生のうち、2次試験(高校調査書、面接、小論文)において現役生に10点、1浪生に5点加点していた。一般選抜2期試験では同窓子女を優先的に合格させ、13年度から計19人が入学していた。

会見に出席した同大の小川良雄医学部長は操作を行った理由について「良い医療人を育てたい意味から、大学内での経験上、現役、1浪生の方が良い医学生になっていったので、6年前から始めた。不正という認識はなかった」と述べた。小川氏によると将来性とは国家試験の合格率や、学部授業の習熟度、医療人になった後の活力など。

「今でも不正と思わないか」との問いに、小出良平学長は現役と1浪の優遇について「囲碁将棋の初段、学生会の会長、ボランティアなど50ほどある項目の1つ。見解の違い」と話し、近日中に設置する第三者委員会に判断を仰ぐとした。

操作により不合格になった受験生は少ないというが、今後、繰り上げ合格にするかも含め、第三者委の判断をもとに検討する。

医学部入試を巡っては、東京医科大が女子と3浪以上の男子の得点を一律に減点していた問題が発覚。女子が不利になる操作について小川氏は「ありません」と断言した。【三須一紀】

◆昭和大学 東京都品川区に本部を置く私立大学。1928年(昭3)に昭和医学専門学校として創設された。46年に昭和医科大学となり、52年に新制大学に移行。64年に薬学部を増設し、現校名に改称。現在は歯学部と保健医療学部を加えた4学部。キャンパスは都内の品川区と大田区、横浜市、山梨県富士吉田市にある。付属病院は8つ。