文明発展の基礎となる道具「はかり」に焦点を当てる企画展「はかりの文化史」が20日、大阪・東大阪市の大阪商業大学商業史博物館で始まった。

展覧会は、大阪日本橋で計量器店を営み、自ら収集家でもあった故・匠原永治氏のコレクションを中心に約150点で構成。一昨年、故人の親族から、同博物館がコレクションの寄贈を受けたことから実現した。直尺、鯨尺、ヤード尺など長さを測るさまざまな道具のほか、質量、体積、環境、数など「はかる」対象ごとに珍しい道具を展示。また、匠原計量器機店で実際に使用された売掛帳やカタログなどの資料や、大正時代の「メートル法実施広告」や広告入り竹さしなど「商業と計量」の観点からも貴重な資料が並ぶ。

また、13年に「弥生時代前期に高精度の計量が行われていた」とニュースになった大阪・亀井遺跡の「弥生分銅」や、平賀源内が製作に携わった量程器など、「はかりの文化史」を一覧できる。

同博物館の池田浩司学芸員は「計量は古代から人間の基本的な営みで、とても引き出しの多いテーマ」と話し、来場を呼び掛けた。11月30日までの平日10時~16時30分。日曜、祝日は休館するが、28日と11月23日は開館する。入場無料。