2020年東京五輪・パラリンピックをめぐり、今月5日の参院予算委員会でちぐはぐな答弁を繰り返した桜田義孝五輪相は9日、答弁が迷走した背景について質問の事前通告がなかったためとしていた自らの発言を、撤回した。

5日の質疑では、立憲民主党の蓮舫参院幹事長が、東京大会の3つのコンセプトを質問した際、桜田氏は担当大臣にもかかわらず明確に答弁できなかった。翌6日、その理由を事前通告がなかったためと主張していたが、蓮舫氏は事前通告したと、反論していた。

一連の経緯を受けて、桜田氏は、9日の閣議後会見で「通告が全くなかったと申し上げたのは、事実と若干違うので撤回する」と、述べた。

一方で、この期に及んでも「詳細な質問内容の通告があれば、充実した質疑ができた」と発言。「通告は『オリンピック・パラリンピック』としか出てなくて、具体的な内容がなかった。(役所から議員への)問い合わせは不可とされたため、役所も十分な問い合わせができなかったのではないか」と、事前通告内容の中身に不満を漏らした。野党側が求めていた謝罪は、しなかった。

桜田氏は、5日の質疑で蓮舫(れんほう)氏の名前を、「レンポウ」と間違って呼んでいたが、この日も「レンポウ議員」と発言する場面があった。

桜田氏は5日の参院予算委で、東京大会に関する国の関連予算の質問でも、1500億円を「1500円」と言い間違えるなど、担当大臣としての資質に疑問の声が出ている。