三重県四日市市のマスコットキャラクターで「ゆるキャラグランプリ2018」(17、18日、東大阪・花園中央公園)にエントリーしている「こにゅうどうくん」が10日、同市内の商業施設内でイベントに参加した。

地元の大四日市まつりの名物で、日本一大きなからくり人形「大入道」(おおにゅうどう)の息子である「こにゅうどうくん」。この日は、納税に関する口座振替をPRするティッシュ配りと同市税務連絡協議会が主催する「税の作品表彰式」で約3時間、市民らと触れ合った。

「手続きはカンタン!」などと書かれたティッシュ配布では、当初の予定より50分早い午前11時から精力的に活動を開始。「KFO隊」(口座振替おすすめ隊)の一員として、収納推進課の職員約15名とPRした。ティッシュを受け取った人の多くが記念写真を求める大人気ぶりで、子どもたちは「伸ばしたいこと」を願いながら触ると、願い事がかなうとされている「こにゅうどうくん」の飛び出た舌を笑顔で引っ張り、楽しそうに触れ合った。

午後1時過ぎからの表彰式では、国税庁のマスコットキャラクター「イータ君」と一緒に出席。表彰を受けた子どもたちに拍手を送り、最後は一緒に記念写真に収まっていた。

昨年の4位から頂点を狙う「ゆるキャラグランプリ2018」では、9月16日の中間発表で32万4915票を獲得。「ご当地」部門507体中、2位につけていた。8月1日から開始された同グランプリのインターネット投票は、メールアドレスを登録して入手できるIDで「1人1日1回」が原則となっている。

だが、同市の複数の職員がフリーメールアドレスなどで大量に入手したIDを他の職員らに割り当て、組織票を入れていたとされる“疑惑”が一部で報道された。

この日、一緒に活動にあたった市収納推進課の職員は、同グランプリに関しては「担当外のため返答できない」とした。担当の観光交流課も休日のため、対応はなかった。それでも「こにゅうどうくん」の人気について、この職員は「人が寄ってくる。子どもから大人まで大人気です」。自身の投票は「1日1回」行っていたと話した。

実際にこの日、記念写真などで「こにゅうどうくん」と触れ合った人の多くは「かわいい」「頑張って」「応援してる」などと声をかけていた。しかし、中には一連の騒動を受け「あ、組織票や」と口にする若者の姿もみられた。

表彰式の広報にあたった市税務署の職員は、今回の騒動について「(市は、ゆるキャラに)力を入れていると思う。市自体のゆるキャラなので、みんなで盛り上げて四日市を盛り上げようというのはあると思う」。ただ、自身には投票を促す指示などは来ていないと話した。

ネット投票は9日で締め切られ、「ゆるキャラグランプリ2018」会場での2日間の投票を含めた結果が、18日に発表される。