「政治とカネ」や答弁能力など、大臣の資質が問われる事態が相次いでいる安倍内閣で15日、新たな閣僚の問題が浮上した。IT政策全般を担当する平井卓也・科学技術担当相(60)が、昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に、宛名がない領収書を多数添付していたことが分かった。

一部報道を受け、この日の参院内閣委員会で立憲民主党の杉尾秀哉氏の指摘に、平井氏が認めた。「事務所に確認を指示し、支出の目的や宛名のない領収書があったとの報告を受けた。選挙管理委員会と相談して適切に対応したい」と述べた。宛名がないのは平井氏側の要求ではないかと指摘されると、「収支報告書にはその(支出)内容も含めてすべて書いている」と述べ、支出自体は問題ないとの認識を示した。問題の領収書は61枚、約700万円分にのぼるとされる。

平井氏はIT戦略に詳しく、地元香川県のメディアのオーナー一族で「四国のメディア王」とも呼ばれる。サイバーセキュリティー担当ながら、パソコンにうといことを悪びれずに話す大臣だけでなく、IT担当大臣にまで問題が浮上。この日の参院内閣委員会には、問題が指摘される桜田義孝、片山さつき両氏と平井氏の3人がそろい踏みし、さながら「スキャンダル追及委員会」の様相だった。