日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)の逮捕を受け、同社は19日夜、横浜市西区の本社で会見を行った。

西川(さいかわ)広人社長(65)は「内部調査で大きく3つの事実を確認した。内容は細かく言えないが、会社として断じて容認できる内容ではない。専門家も解任に足りる重大な不正だとしており、解任を決断した」と明らかにした。その上で「深くおわび申し上げたい」と謝罪した。

主なやりとりは以下の通り。

-ゴーン容疑者はカリスマだったのか。暴君だったのか

西川氏 事実として、なかなか他の人間ができなかったことを、初期のころ、大きな改革を実践したのは事実。その後は、功罪両方ある、というのが実感だ。最近の状況を見ると、やや権力の座に長く座っていたことに対する業務の面でも弊害が見えた。

-粉飾決算にあたらないのか

西川氏 有価証券報告書は会社の発行物であり、適正ではなかった。当然ながら瑕疵(かし)を認めなければならない。

-ケリー容疑者はどういう業務をしていたのか。

西川氏 彼は元々日産出身で、(ルノーと三菱自動車との)アライアンスの仕事でも、たえずゴーンの側近として動いていた。

-3社アライアンスへの影響は

西川氏 パートナーシップそのものに影響する事案ではない。取締役会同士がより緊密に話し合いをしていく。

-不正に関わった社内の関係者の広がりは

西川氏 今コメントできる内容ではない。

-ゴーン容疑者の高額な報酬について正当だったか

西川氏 日本人だから、日本企業だから(報酬が)低いというのは徐々に是正されるべき。

-司法取引は

西川氏 まったくコメントできない。

-ガバナンスが効いていなかった責任は

西川氏 今は猛省すべきというところにある。事態を沈静化させ、安定させたい。やることは山積している。

-どうして見抜けなかった

西川氏 会社の中のある部分の仕組みが形骸化していた。権力の集中という部分で検知できない弱点があったのではないか。日産の43%の株主で執行権もあるルノーの会長が日産の取締役会の議長であり、本来オープンなガバナンスの面では注意しなければならない構造だった。

-社内調査でゴーン容疑者の弁明は聞いていないか

西川氏 私は直接は聞いていない。

-動機は

西川氏 控えさせてください。