大相撲・元貴乃花親方の引退、場所前の移籍という困難も乗り越え、九州場所で初優勝した小結貴景勝(22)に、かつての貴乃花部屋の地元東京・中野新橋からも祝福の声が上がった。部屋は16年に江東区に移ったが、二子山部屋時代から長年親交があるすっぽん料理の名店「久松」の荒田太一さん(80)は「安心して見ていられた。貴関の退職、部屋の移籍と大変だったが、それを逆にバネにした」と語った。

中野新橋は若貴ブーム当時、相撲の聖地と呼ばれた場所だ。貴景勝も小学校時代、元貴乃花親方がこの地で開いた子ども相撲教室に兵庫県から参加していた。中野新橋商店街理事長でもある荒田さんは「この町で育った若い力士。身内のような感じで喜びも特別です」と笑顔を見せた。

商店街の自営業女性は「この町で稽古していた若い子の活躍は本当にうれしい」と喜んだ。一方で「貴乃花親方に、親方として優勝を味わわせたかった」との声も。しかし、荒田さんはこう考えている。「(10月に)千賀ノ浦部屋に移り、稽古の違いにとまどいもあったと思う。それでも、貴関の下で培った出足にさらに磨きをかけた。困難があったからこそ、揺るがぬ気持ちで、結果を出したのだと思う」と話した。

貴乃花部屋は移転したが、今も夏祭りには元貴翔馬らがちびっ子相撲を指導するなど、地域の相撲文化は続く。荒田さんは「綱とりが楽しみ。中野新橋から応援しています」とエールを送った。【清水優】