年末の風物詩「現代用語の基礎知識選 2018ユーキャン新語・流行語大賞」が3日、都内で発表され、テレビ朝日系で4月期に深夜枠で放送された、おっさん同士の純愛を描き話題となったドラマ「おっさんずラブ」がトップテンに選ばれた。

「おっさんずラブ」は、同局で16年年末に単発ドラマとして放送され、おっさんのピュアな純愛を描く作品性が話題を呼んで連続ドラマ化された。天空不動産の営業所を舞台に、女好きながらモテない33歳の春田創一(田中圭)が、上司の黒澤武蔵部長(吉田鋼太郎)と後輩の牧凌太(林遣都)に好きだとカミングアウトされ、恋愛、結婚、仕事に戸惑い、苦悩する物語。おっさん同士の純愛ラブストーリーは、男女問わず話題を呼んだ。

選考委員を務める「現代用語の基礎知識」の清水均編集部長は「昔々、平成元年の受賞語が『セクシャルハラスメント』でしたが、平成最後の流行語大賞も「ハラスメント」で締めくくることになりそうな、そんなパワーにおびえた2018年でした。#MeTooの動きが高まるただ中で発覚した財務省のセクハラ問題。アマチュアスポーツの世界からも問題が続出し、この社会にはまだまだ『パワハラ』がまかり通っていることを見せつけられました」と18年を評した。

その上で「そんな『旧態依然』を支えてきた元凶が、性別を問わず残存する『おっさん』的スピリットにあるのだ! と、そんな風に『おっさんずラブ』が社会の病理を看破して製作されたとしたら、ここから次の時代への展望が見えて来るでしょう」と評価した。

また総評でも「今の時代、おっさんたちは窮屈だ。セクハラ禁止、パワハラ疑惑、不倫などしてバレようものならお先真っ暗である。女性に押されっぱなしの男性が切り開いた新しい世界、それがちょっとダメで優柔不断なかわいい男子とのオフィスラブというわけだ。(中略)現実の少し先を行くのがドラマだ。男女いりまじっての真剣恋愛に、国会議員による『LGBTは生産性がない』の妄言は完全にかすんでくる」と高く評価された。