将棋の藤井聡太七段(16)が4日、都内で行われた囲碁将棋新人王戦表彰式に出席した。その席上で、師匠の杉本昌隆七段(50)が、主催の共産党機関紙「しんぶん赤旗」に「あまりに昇段が早く、出られない。七段まで、変えていただけないですかね?」と、新人王戦の条件を引き下げて欲しいとお願い? した。

新人王戦の参加には、六段以下、26歳以下などの条件がある。藤井七段は出場が決まった時点で四段だったが、わずか1年7カ月で、五段、六段、七段と異例のスピードで3段階の昇段を実現したため、今期がラストの新人王戦だった。

杉本七段は「私は19歳、3段の時、初めて参加し、まだプロでないのにプロのように対局できる、お金も入る。あの時のうれしさは、いまだに忘れられない」と、自らの新人王戦の思い出を語った。

その上で2005年(平17)までは、新人王戦の参加条件がタイトルを取ったことがない30歳以下で六段の棋士だったことについて言及。「当時は30歳まででして、私は七段に昇段することもなく、無事30歳までたっぷり新人王戦で鍛錬させていただいた」と語った。そして「連覇、3連覇として欲しかったが、ラストチャンス。指したいよね? 若いから多く指したいと思う」と藤井七段を横目に見つつ、訴えた。

杉本七段は、弟子の藤井七段の出世があまりに早く、祝福も出来ていなかったと吐露。「藤井君…おめでとう。いつもおめでたいので、改めておめでとうと言っていない。将棋界は激動の1年…そこには藤井七段の活躍があると思う。周りの人を輝かせる存在だと思う。彼が通った教室、研修会、私もそうですけど、行った店も繁盛する」と祝福した。【村上幸将】