1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑確定後、14年の静岡地裁の再審開始決定で釈放されたものの、6月に東京高裁から再審開始を認めない決定を受けた、元プロボクサー袴田巌さん(82)を支援する集会「袴田さん再収監を許さない」と会見が12日、都内の衆院第一議員会館で行われた。

集会と会見には、支援を続けてきた日本プロボクシング協会事務局長で元東洋太平洋バンタム級王者の新田渉世氏(51)、元日本スーパーバンタム級王者で袴田巌再審支援委員会の真部豊氏(50)、WBAスーパーウエルター級王者の輪島功一氏(75)が駆け付け、袴田さんへの支援を訴えた。

新田氏は、9日にベトナムのホーチミンで開催した「日越ボクシング交流フェスティバル」で、選手がはくパンツ、マットなどに袴田さんの支援を訴える告知を載せるなどのPR活動をしたことを報告。その上で「ボクシング界としては、少しでも多くの人に知っていただくのが役割だと思って活動しています。もっと多くの人に知ってもらう企画を、もうすぐ発表できます」と新たな企画を展開する考えを明らかにした。

輪島氏は「袴田さんは7歳違う、私の大先輩。私が25歳でデビューした1年前に事件が起きた。だから仲間のような気がする。元ボクサーですから」と袴田さんへの熱い思いを吐露した。その上で「ボクシングをやっていたことで良いか、悪いかを判断した警察、検察は憎たらしい。『ボクサーだから、やったんだろ』って言うヤツがいたんだろう」と声を大にした。

さらに、輪島氏は「『ボクサーをバカにしやがって』と言う人間がいなくなった。ハッキリものを言うことを嫌う、白、黒と言うと、みんな嫌がるのが日本人だが白、黒で決めるのが世界の常識。袴田さんがやっていないからこそ、検察も判断を、さぁどうするどうする…と死ぬまで待っているのか、この野郎!!」と憤りをあらわにした。【村上幸将】