将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が12日、史上最速の通算100勝を達成した。この日、都内で収録されたCS「囲碁・将棋チャンネル」のテレビ棋戦「第27期銀河戦本戦トーナメントEブロック」5回戦を突破して99勝目を挙げると、6回戦(来年3月5日午後8時放送)で阿部健治郎七段(29)を破って100勝18敗とした。

16歳4カ月23日で達成の史上最年少はもとより、プロデビューから2年2カ月11日は、羽生善治竜王(48)の2年3カ月29日をしのぐスピード出世。100勝達成時の勝率8割4分8厘は、中原誠16世名人(71=引退)の8割2分6厘(100勝21敗)を上回る。まさに、記録ずくめの到達劇となった。

藤井七段は「1局1局の積み重ねで、ここまで来られた。うれしく思っています」と笑顔を見せた。最も印象に残っているのは、今年5月に船江恒平六段を下して七段昇段を決めた、竜王戦5組準決勝だという。

同じ100でも、憧れの羽生竜王は早ければ今日13日の竜王戦7番勝負第6局(鹿児島県指宿市)で、タイトル通算100期獲得となる。「改めてすごいと感じます。タイトル獲得を目指して前に行きたい」と、目標にも言及した。

2月の朝日杯、10月の新人王戦と公式戦で2回の優勝は自信になったという。一方で、上位の棋士との壁も思い知らされた。「今年の経験を生かして来年につなげたい」。100勝は、あくまで通過点にすぎない。【赤塚辰浩】