スピードスケートと自転車で計7回、五輪に出場した自民党の橋本聖子参院議員(54)が、北海道知事選(3月21日告示、4月7日投開票)への出馬に意欲を示していることが1日、複数の関係者への取材で分かった。同知事選ではこの日、鈴木直道夕張市長(37)が無所属での出馬を表明したばかり。鈴木氏は自民、公明両党に推薦を要請し、公明党は推薦を決定。橋本氏が出馬すれば、保守分裂になる恐れがある。

自民党道連には当初、和泉晶裕国交省北海道局長(57)の擁立論があったが、和泉氏は固辞。一方、東京都職員出身で、石原慎太郎知事時代に財政破綻した夕張市に派遣され、再建に尽力した鈴木氏には、官邸の期待があるとされるが、道連は鈴木氏擁立に反発してきた。関係者によると、先月31日、和泉氏を支持してきた道議や国会議員らが集まった会合で、橋本氏が「責任を取って出馬を考えたい」と、伝えたという。

ただ橋本氏にも、出馬への根強い待望論があった。道議有志22人は1日、橋本氏に「期待は大変重く、重責を担える人は橋本議員以外にいない」と文書で出馬を要請した。橋本氏は95年参院選で初当選し、現在4期目。知名度は抜群だ。

4月の知事選では北海道以外でも福井、島根、徳島、福岡で保守分裂と異例の状態だ。福岡では麻生太郎財務相が新人を推し、麻生氏と反目する山崎拓氏や古賀誠氏ら重鎮や、二階俊博幹事長に近い二階派議員が現職を支持。権力争いも絡む対立構図になっている。

一方、北海道知事選で野党側は、石川知裕元衆院議員(45)を野党統一候補とする動きが出ている。