女性とのトラブルを理由に自民党に離党届を提出している田畑毅衆院議員(46=比例東海)をめぐり、交際していた女性が田畑氏に乱暴されたとして、準強制性交容疑の告訴状を愛知県警に提出していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。田畑氏の携帯電話には、女性の裸を撮影した画像が保存されていたという。女性が今日21日発売の「週刊新潮」で、田畑氏に受けた行状について告白していることも分かった。野党からは、議員辞職を求める声が強まっている。

田畑氏が先週末、自民党側に離党届を提出した際、深刻な女性トラブルが一因との見方が出ていた。この日、元交際女性から準強制性交容疑の告訴状を出されていたことが分かった。

「週刊新潮」によると、告訴状提出は今月6日。女性は名古屋市在住で20代。昨年SNSを通じて田畑氏と知り合い交際を始めたが、次第に「盗撮」を疑うようになったという。昨年のクリスマスイブに2人で会食後、女性の自宅に行ったが、女性は寝ている間に性行為に及ばれたと主張。その際、田畑氏の携帯電話に、大量の「盗撮画像」を確認したとしている。

女性はトイレに駆け込んで勤務先の社長や両親に連絡し、110番通報。警察の捜査を経て告訴状を出し、受理されたという。捜査関係者によると、田畑氏の携帯電話には女性の裸を撮影した画像が保存され、女性は軽犯罪法違反容疑でも被害届を提出したという。

日銀出身の田畑氏は12年衆院選で初当選。いわゆる「魔の当選3回生」に当たり、問題行動が指摘される議員が多い二階派所属でもある。自民党では20日、二階派会長でもある二階俊博幹事長と、山東昭子党紀委員長が党本部で会談。執行部は、週刊誌が発売される今日21日にも離党届の扱いを判断する。

報道内容は、国会議員としてはあり得ない行状。議員辞職を求める声もあるが、自民党、特に二階氏には田畑氏を辞職させたくない複雑な事情がある。

田畑氏が辞職に追い込まれれば、同じ比例東海ブロックで繰り上がるのが、先月末に無所属のまま二階派入りした細野豪志衆院議員と同じ静岡5区で自民党支部長を務める、吉川赳・元衆院議員(36)だからだ。吉川氏が現職になれば、細野氏の立場は宙に浮き、吉川氏が所属する岸田派と二階派の対立も深刻になる。 自民関係者は「二階氏は辞職させたくないはずだが統一地方選も近い。普通に考えると少なくとも党に残すのは難しい」と話した。