大阪府東大阪市にあるコンビニのセブン-イレブン加盟店が「人手不足で24時間は限界」と今月1日から営業時間を短くしたところ、セブン-イレブン・ジャパンの本部側から違約金約1700万円とフランチャイズ(FC)契約の解除の通告を受けたことが21日、店側への取材で分かった。24時間営業をやめざるを得ない背景について、店のオーナーが日刊スポーツの取材に応じた。

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幹線道路の大阪中央環状線から少し入った住宅地の一角に「セブン-イレブン東大阪南上小阪店」はある。入り口には「諸事情により…」と時短営業を知らせる張り紙。オーナーの松本実敏(みとし)さん(57)は「疲弊してしまって…。もう限界ギリギリなんです」と疲れ切った表情を見せた。

松本さんによると、12年にFC契約し、24時間営業を続けてきたが、昨年5月、店を切り盛りしていた夫人ががんで死去。主力のアルバイトの大学生5人の卒業も重なった。その後、採用しても辞めるアルバイトも多く、時給を上げて募集してもアルバイトは集まらない。松本さんが28時間勤務など連続勤務して営業を続けてきた。このため、今月1日から午前6時~翌日午前1時の19時間営業にした。

松本さんは「この8カ月で3日しか休みが取れていない。このままでは倒れるか、過労死してしまう」と訴えているが、本部側は契約違反に当たるとして24時間営業に戻さない場合は契約解除となって違約金が生じると伝えてきたという。

21日も担当者が店を訪れ、松本さんと2時間以上にわたって協議。本部側は「期間限定で夜間のサポートをするので、その間に店の態勢を整えて24時間営業に戻してほしい」と申し出たという。松本さんは「人員派遣は永続的な対応でない」と拒否し、議論は平行線に終わった。

約100人のオーナーからメールなどで「頑張って」とエールを受けているという松本さんは、問題点をこう指摘する。「人材不足はオーナーの力量不足と言われるが、いまはもうそんな時代ではない。業界全体で起きている人手不足は深刻なんです」。

セブン-イレブン・ジャパンによると、松本さん以外から人手不足で24時間営業は難しいとの訴えは出ていないとしている。松本さんは「契約を交わしているので法律上は勝てないのは分かっています。ただ個々の事情に応じ、営業時間を選択できるようにしてほしい」。今後も深夜営業は再開しないとしている。【松浦隆司】