20年春に暫定開業する山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」の名称撤回を求めるコラムニスト能町みね子さん(40)らが27日、1月までに集めた4万7930人分の署名を東京・新宿のJR東日本に提出した。

提出者は能町さんのほかに、地図研究家の今尾恵介氏と、国語辞典編さん者の飯間浩明氏。また、賛同者にはカンニング竹山隆範、デヴィ夫人、清水ミチコらが名を連ねた。

能町さんによると、JR東は、幹部ら4人が対応。署名は受け取ったが、「現時点では駅名を変えるつもりはない」という回答を繰り返された。ただ能町さんによると過去、駅名決定前に「高輪」の名を求めて出された近隣住民や港区議会の嘆願書は、JR東に受け取ってもらえなかったという。能町さんは「署名を受け取ってもらえたのは大きな1歩。草の根運動で、輪を広げていきたい」と話した。今後はイベントなども開催し、周知を図る考えだ。

「キラキラ駅名はなぜ生まれるか」などの論文もある今尾氏は、「駅名の影響力は大きい。泉岳寺などもあるのに、高輪ゲートウェイという商品名が地名として認識されてしまう」。飯間氏は「歴史の蓄積に対して大きな危険がある」などとして、撤回運動に協力した。

能町さんらは27日午後、国交省記者クラブなどで会見予定。

「高輪ゲートウェイ」は公募130位で、票数は36票だったが、上位の「高輪」「芝浦」「芝浜」を退けて採用された。能町さんは12月から1月の約1カ月間、署名サイト「Change.org」で署名を募集。駅名は土地の性格や歴史を背負う地名や、ランドマークの名が基本であると主張し、ネット上でも反対意見が大多数として、高輪ゲートウェイの駅名を「後世に残したくない。恥」と批判していた。