今夏の参院選で改選を迎える自由党共同代表の山本太郎参院議員(東京選挙区)は10日、国会内で会見し、統一地方選後半戦が終わった後の4月下旬に同党を離党する意向を表明した。

同時に「れいわ新選組」という新しいグループを立ち上げ、このグループで参院選に挑戦したい意向を表明した。

「れいわ」は新しい元号と重なるが「令和を語る前に、平成はどんな時代だった。経済が停滞し、格差が拡大し人々が疲弊した」とした上で、「新選組は、新しく選ばれる人たちの意味だ。(幕末の)『新撰組』は幕府側だったというつっこみはあると思うが、今の権力者はこの国の国民だ。国民にお仕えしたい」と述べた。

この日、小沢一郎代表と会談。離党届提出時期について「統一地方選の間は、自由党共同代表の職責を果たすということになった」と、述べた。今後街頭演説などを通じて1万人から1万円ずつ集め、計1億円を集めることを目指し、「5月の末までに1億円を目指し、集まった額によってチャレンジの仕方を決めていきたい」とも述べた。

もし5億円なら、参院の2人区以上の選挙区に候補を擁立するという。1億円集まらないならこのグループでの挑戦は辞退し、自身は東京選挙区から無所属で出馬する意向を示した。現段階で同調する国会議員はいない。

「違う角度からの野党結集」が、今回の行動の目標だと述べた。消費税廃止、最低賃金1500円の政府保障、公務員を増やす、辺野古埋め立て中止、原発の即時禁止などを政策に掲げた。「独自に旗を揚げるが、野党の結集が実現すれば旗を降ろす」「野党結集には、立憲民主党の力が必要」とも述べた。

14年12月、「生活の党と山本太郎となかまたち」でタッグを組んで以降、これまで行動をともにしてきた小沢氏との話し合いにも言及。政治の師でもある小沢氏からは、「多くの方が理解するかどうかは、私には分からない。あなたの政治生命を失うことを含めた賭けになるね」と、厳しい見方を示された言われたことも明かした。離党の判断については、「最終的にはあなたの判断」と言われたという。

これまで何度か、政党ではなく、独自のグループの立場での戦いを模索したことも明らかにした。「小沢さんとの話し合いの中で、挑戦したかったが、何度も引いた」という。

「前回(17年)の衆院選も自分たちのグループでやりたかったが、当時は立憲民主党が大きな希望になった。私が出ることは水を差す」として、新グループでの衆院選挑戦を断念していたことも明かした。

山本氏は13年参院選で東京選挙区から無所属で出馬し、初当選した。