夏の参院選の前哨戦となる衆院大阪12区、沖縄3区の両補欠選挙(21日投開票)は13日、告示後最初の週末を迎えた。「背水の陣」で臨む自民党は大阪12区に小泉進次郎厚労部会長(37)を投入した。ナニワのおばちゃんの大声援を受けた小泉氏は「自民党は国政では与党だが、大阪では野党」とダブル選を圧勝した大阪維新の会の勢いを認めつつも、けん制した。野党は「忖度(そんたく)」批判し、舌戦が繰り広げられた。

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京阪電鉄寝屋川市駅前での街頭演説。小泉氏が登場すると、大きな歓声が上がった。「私は国会を変えたい。変えるには新しい世代が必要だ」。自民党新人の北川晋平氏(32)の手を持ち上げ、支持を訴えた。

大阪12区は4人が争う大混戦。2敗は避けたい自民党が絶対に落とせないのが大阪だ。自民党は党を挙げて「背水の陣」で臨む。7日に投開票された大阪ダブル選では、自民党推薦候補はいずれも日本維新の会系候補に完敗。勢いづく維新に対する危機感は高まっている。

党勢立て直しが急務となる中、維新の本拠地に乗り込んだ小泉氏は「自民党は国政では与党だが、大阪では野党」と維新の勢いを認めつつも、聴衆に自らの経験談を語りかけた。「10年前、私が初めて選挙に出たとき、当時の民主党の勢いはすごかった。ただ、維新の勢いは当時の民主党ほどではない。自民党は自信を失う必要はない」。

小泉氏の街頭演説終了の約1時間後、同駅前では維新の2トップ、松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事が維新の新人候補、藤田文武氏(38)の応援に入った。松井氏は「この国の仕組みを見直したい」と国会議員の定数削減などの「身を切る改革」を訴えた。

また小泉氏の演説直後には、共産党などが推薦する無所属の前衆議院議員、宮本岳志氏(59)がマイクを握った。応援には国会で学校法人「森友問題」への国有地売却問題を追及してきた野党議員が駆けつけた。自由党の森裕子参院議員は「安倍首相のお友達だけが得をする忖度(そんたく)政治は絶対にダメ」と声を張り上げ、宮本氏は「ウソと改ざんの安倍政治を終わらせる」と訴えた。

無所属で元総務大臣の樽床伸二氏(59)は自転車で寝屋川市内などを回り、実績を訴えた。21日投票まで、熱い戦いが続く。【松浦隆司】