「筆談ホステス」として脚光を浴びた東京・北区の元区議、斉藤里恵氏(35)が7日、国会内で会見し、今夏の参院選(比例代表)に立憲民主党から立候補すると発表した。

聴覚障害がある斉藤氏は自分で言葉を発して、出馬の経緯を説明し、報道陣の質問に対応。斉藤氏の口の動きを見て分かりやすく通訳したり、報道陣の質問を書き起こして斉藤氏に見せるなど、複数のスタッフが斉藤氏を万全な体制でサポートした。

斉藤氏は新人として挑んだ前回(15年)の東京都北区議選でトップ当選。今年の同区議選に出馬しなかった。国政挑戦について「区議として任期4年の中で、さまざまな課題に直面しましたが、その多くは地域レベルではなく、国レベル、社会総掛かりで取り組むべきものと感じている」と説明。立憲民主党からの立候補については「一定数いる障害のある人の声を国会に届けることが絶対に必要。その理解が最もあるから」とした。

小学3年生の娘を1人で育てるシングルマザーでもある。「女性が1人で子育てしていくことはきれいごとではすまない厳しい現実がある。働くシングルマザーの当事者でもあるので、女性の社会進出や1人親支援も積極的に訴えていきたい」。青森に住む母親が上京し、娘をサポートするという。「家族は今回も心配していますが、私が一度、決心したら、まっすぐチャレンジする性格を知っているので、全面的に応援もらっている。娘も幼いながら、今回の立候補についても理解してくれています」と協力に感謝した。

聴覚障害がある中での選挙の戦い方を聞かれると「課題はある」とした上で「駅に立ったり、握手して回ったり、ごあいさつしていく」と地道な活動をアピールした。政策については「障害者福祉分野を重要視している」とし「すべての人にやさしい国づくりの一助となるよう、努力していくので、どうぞよろしくお願いします」と真剣な表情で意気込んだ。

立憲民主党からは斉藤氏のほか、参院選宮城選挙区で地元ラジオ局アナウンサー・石垣のりこ氏(44)の立候補も決まった。【近藤由美子】