昨年5月の結党後、初の国政選挙となった国民民主党は改選議席の8を上回れず、敗北した。

選挙戦終盤の19日、平野博文幹事長が京都アニメーションの放火殺人事件に触れ「皆さんの心を燃やしたいと思って(ライターを)買ってきたが、京都みたいになったら困るので使わない」と、応援演説で心ない失言をし、党の信頼力も弱めた。この日、出演したテレビ番組で、このことを聞かれると「結果的に(関係者を)傷つけた。申し訳なく反省している」と謝罪。平野氏を含めた執行部の責任問題は避けられず、党の存在感にも暗雲が漂っている。

選挙戦でコスプレもいとわず、体を張って支持拡大を訴えた玉木雄一郎代表。党の開票センターで行った会見では「デビュー戦だったが、国民系の候補を加えれば改選議席を上回る11人。大躍進とは言えないが躍進。土台を作れた」と、責任論を回避した。

自由党から入党した小沢一郎氏を選対本部長相談役に据えたものの、権限があいまいだったことなども敗因の1つと指摘される。国民民主は今後、自民党など他党の「草刈り場」になるとの見方が強く、先行きは不透明だ。【松本久】