運営会社の従業員のストライキにより、14日未明から営業がストップしていた、東北道・佐野サービスエリア(SA)上り線のフードコートと売店が、スト発生から2日後の16日、営業を一部、再開した。当初、午前11時から提供予定だった、名物の佐野ラーメンの提供も午前10時半から再開された。

東北道を管理、運営するNEXCO東日本の子会社ネクセリア東日本の関係者は、日刊スポーツの取材に「フードコートでは、佐野ラーメンのみ提供を再開しました。ただ、まだ大幅に営業を縮小している状態。24時間、いろいろなものを提供したいが、その状態ではない」と説明した。フードコートは午後11時まで営業する予定だという。

また午前7時から営業を再開した売店では、佐野ラーメンなどのお土産や飲料の販売を再開。営業は24時間体制で行うという。

同関係者は、フードコートと売店を運営する栃木県佐野市のケイセイ・フーズに対し、少しでも早く通常営業を再開するよう、要請したことを明らかにした。その上で「24時間、いろいろな商品を提供したいが、その状態ではありません」と苦悩をのぞかせた。

また別の関係者によると、再開したフードコートと売店の営業に、ストを行った従業員は関わっていないという。今回のストは、ケイセイ・フーズの親会社の建設会社に関する信用不安情報が、フードコートと売店に商品を卸す取引先業者に露見し、7月25日前後から商品が納入されなくなり、その収拾に当たった一部の管理職員が、資金繰りが厳しいことを知って岸敏夫社長を糾弾し、解雇されたことが発端となった。同社長は15日に、一部管理職員の解雇の撤回を明らかにしたが、労使の交渉は行われていない。佐野ラーメンは戻ったものの、通常営業再開への、解決の糸口は見いだせない状況だ。