立憲民主党の枝野幸男代表と、国民民主党の玉木雄一郎代表は20日、国会内で会談し、衆参両院での統一会派結成で合意した。当初、枝野氏は衆院での会派合流を提案したが、玉木氏は衆参両院の会派結成を逆提案、再調整となっていた。

枝野氏は当初、会派合流の前提に原発ゼロ法案への賛同を求めたが、「理解と協力」という玉虫色の回答を受け入れた。両党の政策には隔たりがあるが、最終的に、野党第1党の立民が国民の要求をのむ形で、「数合わせ」が優先された。

会派とは国会活動を共に行う議員グループ。通常は1つの政党が1つの会派を届け出るが、違う政党同士が組む場合もある。このタイミングでの統一会派結成は、衆院解散・総選挙の可能性もある秋の臨時国会に向け、「安倍1強」に対抗する野党の共闘を強めるため。会見で、枝野氏は「より強い体制で臨時国会に臨める」と強調し、玉木氏も「自民党に対抗できるもう1つの選択肢を国民に示す1歩になる」と話した。

旧民進党系の両党は17年の衆院選前、小池百合子都知事が仕掛けた「希望の党」結党に伴い、分裂。“排除”された枝野氏がゼロから立民を立ち上げ、勢力を拡大した。しかし最近は立民の支持率も伸び悩み、国民に至っては1%周辺を低迷。7月の参院選で山本太郎代表率いる「れいわ新選組」などネオ野党が台頭し、「既存野党」の存在感が揺らぐ中、統一会派という「ゆるいグループ」で、勢力拡大をはかる必要性にかられたとみられる。

衆院選が原因で分裂した両党が、次の衆院選に備えて再び接近。両党内には合流への期待もあるが、くっついたり離れたりで「先祖返り」に近づく姿に、有権者の理解が得られるかは不透明だ。枝野氏は、野田佳彦前首相が代表の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」にも参加を打診。3会派が統一会派を組めば衆院117人、参院60人の勢力となる。【中山知子】