台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」のネットを支える鉄柱が倒れ込み、住宅被害を受けた住民らが、練習場オーナー側から被災家屋の補償をしない意向を伝えられたことが19日、分かった。

ある住民によると、オーナー側の弁護士から電話があり、鉄柱撤去は行うものの、「台風は自然災害と認識している。家屋は被災者それぞれが入っている火災保険で直していただきたい」と伝えられたという。

住民によると、11日に住民の意向を受ける形で開催された話し合いには、オーナーが1人で出席。謝罪とともに、全面的に補償を行う意向を示していた。一転して住宅被害の補償を行わない方針に、「話が違う」と激怒している住民もいるという。

ある住民は「話し合いに弁護士が同席していなかったから、話が変わることは想定内」としながらも「向こう持ちで建て替えてもらえれば問題ないが、撤去で家が倒壊するかもしれないし、破壊規模が大きくなれば、修繕で自己負担が大きくなる可能性がある。それぞれ考え方も違うし、撤去に対しても簡単に了承できないだろう」と話した。

オーナー側の弁護士は住民への通達について「現在、お答えすることはないので、取材はお受けできません」としている。【近藤由美子】